東海・関東編>遠江

遠江の東歌を訪ねて

乎那の峰から引佐の細江へ

平成12年7月12日(日) 万葉の大和路を歩く会の日帰りバスツアーに参加し
浜名湖の北部の万葉故地を訪ねた。
京都から浜名湖まで往復の所要時間はかなりかかったが、
有意義な一日を過ごすことが出来た。
暑い盛り万葉集を学ぶ熱心な方々が三台のバスに分乗し目的地まで楽しいバスの旅。  
講師は古代民俗研究所所長・大森亮尚先生

 

乎那の峰

「乎那」は浜名湖の西北部に僅かな幅の瀬戸で本湖と繋がっている猪鼻湖の西岸、引佐郡三日日町の下尾奈の村落と推定されている。
現在JR天竜浜名湖線の尾奈駅近くになる。集落に高さ222mの板築山(ほうづきやま)がありそれが湖畔に向って東へ連なる峰の最東端が浅間山(せんげんやま)で、山裾が水際で洲をなしている。

花散らふ この向つ峰の 乎那の峰の ひじに付くまで 君が齢もがも   (巻14-3448)

花の散りづづいているこの向かい尾奈の峰が、時が経って湖の洲に漬かるようになるまで貴方の寿命が長く長くあって欲しいものです。

というこの地方に歌われた祝い歌、寿歌といわれる。
「ひじに付くまで」の「ひじ」は湖の洲のことで現在では下の写真のように洲の上にホテルなどが建っている。