奈良編           大和は国のまほろば

 

「大和」 現在の奈良県は万葉の原点と言えましょう。万葉集の中に出てくる地名が一番多いのは奈良県で、
それもそのはず万葉時代の帝都は奈良の飛鳥京、藤原京、平城京と変遷している。
 
  倭は 国のまほろば たたなづく 青垣 山隠れる 倭し 美はし
                                 古事記ー31             

このようにヤマトタケルは大和の国をたたえています。
今でも山に囲まれた奈良に行くとこの歌の意味が良く理解できます。      
明日香村には「全村まるごと博物館」と言われるほど貴重な遺跡、古墳、また出土した宝があり、
いやが上にも古代ロマンを掻き立てられます。
誰が葬られていたのでしょう? 昨年(2006年)はキトラ古墳の壁画の内、
西を守護する「白虎」の公開に出かけ感動を目の当たりにしました。
また、藤原京跡に立てば東に天の香具山、西に畝傍、北に耳成と秀麗な大和三山、
南方には万葉の舞台になった吉野の連山、 生駒山系を望めば二上山が・・・
きぬずれの音とともに万葉の世界に案内してくれます。

 うつそみの人にあるわれや 明日よりは二上山を弟世(いろせ)とわが見む
                              大泊皇女 (巻2-165)

 み吉野の象山(きさやま)の際(ま)の木末には ここだもさわく鳥の声かも 
                       山部赤人 (巻6-924)